樋口一葉終焉の地(西片1-17-8)
小説家・歌人として明治期に活躍した樋口一葉(1872~1896)の旧居跡。本郷菊坂の井戸のそばの住居を離れた一葉は、当時の下谷区竜泉寺に10か月住んだ後、明治27年(1894)にこの地(当時丸山福山町)に移った。うなぎ屋の離れの6畳2間と4畳半の3間で、西片町阿部邸の崖からの湧水が庭の瓢箪形の池に注いでいた。この家で、隣り合わせの銘酒屋の女性をモデルにした名作『にごりえ』が生まれ、『大つごもり』『たけくらべ』『ゆく雲』『十三夜』など代表作が数々書かれた。生涯最後の2年半余りをここで過ごした一葉は、明治29年、結核のため24歳の若さで生涯を閉じた。